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作品への思い
作品への思い
作品への思い
彩釉壺「昇龍」
しょうりゅう
三代が安らかに天に昇ってほしい・・。襲名間近の2月11日建国記念の日、北陸特有の牡丹雪が降っていました。三代は病院に帰る時、いつも「あと頼むね、あと頼むね」何回も繰り返していました。大粒の涙をハラハラとこぼしながら、振り返り振り返り天に昇っていきました。窯からは、昇龍という壺があがりました。逆さ焼の誕生です。最後に淵を削り白を塗り焼いて仕上げています。素焼き・本焼き・あら焼き・二度目の上絵仕上げと最低5回は窯に入ります。線香の煙り、蝋燭の炎が、三代の魂が安らかに天に昇って行く様を表現しています。成仏を願う気持ちがそうさせました。
彩釉鉢「遥」
はるか
三代が生きた証し・功績・耀彩の光が、何億光年宇宙の果てまで輝き続けますように・・と願いと祈りを込めて作りました。
香炉「奏」
そう
三代が、龍になって天に昇って行った時、法隆寺の飛天のような女の人が二人、琵琶をかき鳴らしながら、笛を吹きながら一緒に昇って行きました。五線譜のリズムとグラデーションと色彩から、奏でられる音楽。窯からは「奏」という香炉があがりました。
彩釉壺「萌春」
ほうしゅん
「萌」は、芽吹く・きざすの意味。春、三月に襲名したので、春がテーマの作品が多い。年齢でなく、心の
若さだという青春という言葉を大切にしたい。
茶碗「淡墨桜」
うすずみざくら
襲名の朝、窯から茶碗があがりました。見た瞬間、これに「銘」をつけよう・・と思いました。
1400年の命を持つ根尾村の淡墨桜、若輩の私には、不遜かな?!一瞬ひるんだけど、学芸員の
坂下さん聞くと、「イイんじゃない」めちゃ軽いご返事。淡墨桜誕生の瞬間でした。その月、東本願寺の大谷祥子様が陶房にいらっしゃいました。茶碗をご覧になられ、これを吉崎御坊蓮如記念館に奉納しようということになりました。帰られて記念館の冊子をパラパラとめくり、目を疑いました。「帰命仁十方無碍光如来」十字名号、その名号こそが徳田の色の暗号だったのです。それまで、三代の作り話かな?くらいの受け取りだったことが自分にも次から次に新作や人との出会いがあり、縁を奇跡を信じるようになりました。その後彼女の琴の演奏会を吉崎御坊蓮如記念館に聴きに行くと、彼女の後ろに十字名号。浄土真宗では一番大切らしい。2011年12月3日小松市立博物館での三代八十吉追悼展のオープニング、初代が修業した松雲堂のこけら落としの琴リサイタルも叶いました。
彩釉壺「華菱」
はなびし
三代の作品に「連菱」という作品があります。襲名は、春。ふきのとう・たらの芽・菜の花、たくさんの草木が雪の下から芽吹く。
菱形、ひしめくと花から、「華菱」と名付けました。世界で一つだけの花、瑠璃色の地球という歌を思いつつ。
彩釉壺「藍華菱」
あいはなびし
華菱を、藍一色で染めた作品。
太古の富士
たいこのふじ
小椋佳にマグマという歌がある。私を動かしているのは、理性や知性という冷たいものでなく、マグマのような熱いもの。衝動、欲望、情念のような熱いもの。
太古の富士は、マンモスが行き交い、マグマがドロドロし、シベリア大陸とも陸続きだったかもしれない。そんなロマン溢れる富士。四代初期の九谷の石、徳田の色で仕上げた作品、太古の富士と命名した。
彩釉壺「香春」
こうしゅん
「萌春」からより、色っぽく紫を入れ、匂いこぼれるような名前を付けました。
彩釉壺「瑞穂」
みずほ
大震災後、日本はどうなる 怖かった。八月、稲穂が雨に濡れている。ただ、美しいと思った。毎年、見てたはずなのに。実るほど 頭を垂れる 稲穂かな。感謝の心です。
彩釉鉢「翠澄」
すいちょう
翡翠の「翠」が好き。三代の納骨、東本願寺で自分の戒名を頂きました。「明澄」。そこから、名付けました。
彩釉鉢「幽夏」
ゆうか
幽玄の幽が好き。夏、短い蝉の命。夕立のあとの陽炎。はかないから、美しい。そして、大切にしたい。夏の幻。
彩釉鉢「流氷」
りゅうひょう
旭川に個展で行きました。帰り、流氷をみたかったけど 小松に帰りました。
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